大野田の家

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敷地は土地の区画整理が進む地域にあり,周囲は住宅のみならず,幼稚園や企業も立地する区画規模の大きな場所である.

『この地で地域に開放できる場をつくりたい』

施主のその思いを叶えるべく,この住宅では家族のプライバシーの確保以上に,外部や社会との繋がりを大切に考えた.

駐車場かつ庭でもある外部空間を建物でゆるやかに囲む構成とした.直角L型ではなく120度に開いた佇まいは,視線を水平方向に逃がし,流れを感じさせ,通りを行く人を悠然と見守る建ち方となる.また,建物の角度が振れることで,庭はまとまった単位で南北に分割できる.それらを土間で連続させることによって建物の威圧感を軽減し,建物内に通り庭のような開放感を創りだしている.

薄く引き伸ばしたような内部空間は,どこにいても,庭の爽やかな緑や空を絶えず眺めることができ,心地よい風が部屋中を吹きぬける. 大きなワンルームながらも,微妙に角度がふれた歪な壁の構成が立ち位置によってその場の質を変え,互いの距離感や見え方を変化させる. 広々とした中心部は光を存分に採り込んでより広がりの感じられる場所に,すぼまった端部はどこか少し落ち着いた印象を受ける. 繋がりながら,それぞれが自由に居場所をみつけることができる空間を目指した.

土間では,地域の方々とのおしゃべりに花を咲かせ,時にはゲストを招いてピアノリサイタルが開催される. 畳の間では知人がヨガ教室を行う.庭に面した低く大きな窓の近くでゆったりとくつろぎ,庭の芝生では子供たちが寝ころびながら本を読む.
あちらこちらからあふれ出す楽しげな風景に,通りをゆく人が思わず立ち寄ってくることもあるという.

【概要】
用途  :専用住宅
敷地面積:303.00㎡
建築面積:84.54㎡
延床面積:155.51㎡
構造  :木造在来軸組工法
階数  :2階
設計期間:2010.01~2010.09
施工期間:2010.10~2011.06
設計監理:一級建築士事務所アーバンスケープ
施工  :株式会社片倉工務店

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