卸町光の子保育園 新園舎
仙台市の認可保育所の敷地内に立つ新園舎である.RCの既存園舎の前には,大きな木造遊具を取り囲むように木々が繁殖し,旬の野菜が育てられ,果実の実がなり,小川が流れ,小さな田んぼには稲穂がゆれるという,緑溢れる魅力的な園庭がある.子ども達が思い思いに外遊びに夢中になる豊かな環境が広がっている.その外遊びをより充実させるための基地として,そして心落ち着かせる静かな場所をつくるため,木造の新園舎が計画された.和室や縁側は外遊びの間のちょっとした休憩の場所であり,土間台所は旬の食材を使った調理に子ども達も参加できる場である.構造や造作材,床材などすべての木部に無垢材を使用し,また壁は珪藻土とするなど落ち着いた内部空間としている.
縁側の深い軒先には里山で収穫してきた柿が吊り下げられ,土間の薪ストーブの前では焼きたてのさつまいもをほおばる子ども達.毎日の生活のなかで,思い切り外で体を動かし,そしてまた,安心して身をゆだねることのできる場を子どもにこそ与えてあげたいという園の意向に,大きな共感をもって設計に携わった.
[概要]
用途:保育所
敷地面積:2432.40㎡
建築面積:135.80㎡
延床面積:115.93㎡
構造:木造在来軸組工法
階数:1階
設計期間:2015.02~2016.07
施工期間:2016.08~2016.12
設計監理:一級建築士事務所 アーバンスケープ
施工:那須建設 株式会社
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